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◇「自慢できる立派な娘」--藤本清美さん(46) 

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 テレビのクイズ番組で珍回答を連発し「おバカキャラ」として人気急上昇の熊本市出身のタレント、スザンヌさん(21)。そんな娘の姿を世間にさらけ出す のは親として「恥」と見る向きもあるが、母親の藤本清美さん(46)は「キャサリン」を名乗って娘と一緒に笑顔で番組に出演する。何か独特の教育論や哲学 をお持ちなのか。興味を持って訪ねた。【高橋克哉】

 ◆スザンヌさんが小さいころは、どんな子どもでしたか。

 --よく面白いことを言ってましたね。中学3年で、本田技研を都道府県の一つだと本気で思っていたし……。中学校の先生との進路相談で「確実に入学できる高校は県内にはない」との結論になり、福岡の高校に進学させました。

 ◆「勉強が出来ない我が子」に焦りはありませんでしたか。

 --一時は真剣に考えたこともありました。けれど、私も母から「勉強しろ」と言われたことがなかったので、勉強を強制したことはありません。子ども自身が意識的に取り組まなければ成績は伸びません。親が騒いでも仕方がないと思いました。

 20歳のころに、遊びに行った老舗旅館の女将さんに「勉強っていうのは、琴とか三味線のような特技が何にもない人が、生きていくために仕方なくやるものなのよ」と言われて、妙に納得していたこともありましたね。

 ◆スザンヌさんが勉強以外の「何か」で生きていけるという確信があったのですか。

 --小学校の時から周りの女の子よりも洋服や化粧に興味を持ち、雑誌や本を読みあさっていました。漢字や計算はダメでも、服のブランドや化粧品の名前はしっかり覚えていましたね。

 2年前に福岡から上京した時もそうでした。自分ひとりでコツコツと貯金して、東京の住まいも決め、契約書にも記入して突然私に言ってきた。「東京に行く ことにしたから連帯保証人の所にサインして」と。興味のある事にはものすごい集中力と記憶力を発揮するんです。だから漠然と「芸術系の世界で食べていくこ とが出来るかな」という考えがありました。

 ◆食べていけるどころか、一気に人気が出ました。

 --店のお客様からは「嫌味がない」と評価していただいています。「勉強しろ」と言ったことはないけれど「あいさつと笑顔だけは忘れるな。これさえあれ ば女の子は何とかなるから」とは常々言ってきました。それを忠実に実践して今の評価をいただいているのならば、親としてはうれしい限りです。

 「スザンヌちゃんが頑張っている姿を見ると、自分も頑張ろうと思う」とおっしゃる方も多いですね。一生懸命頑張って、人を勇気付けることが出来るようなタレントであってほしいです。 

 ◆いわゆる「おバカキャラ」に抵抗はありませんか。

 --それはないですね。お客様の評価のように、誰かを元気にできるなんて、素晴らしいことだと思いませんか。自信を持って自慢できる立派な娘です。

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